先日、何気なくTVをつけっ放しのまま別の作業をしていたら「養蜂場の仕事」みたいな特集番組が流れてて途中からのめり込んでしまいました^^
耳に入ってきた言葉が「蜂球(ホウキュウ)」
そこで「あっ」と思ったんです・・・
小説「風の中のマリア」を読む以前は全く知らない言葉でした。
番組内では「西洋ミツバチ」の蜂球は珍しいとの事で、あぁ、そういえば小説の中では「日本ミツバチ」についてだったなぁ‥と
風の中のマリア 百田尚樹 著
オオスズメバチの生態を描いた物語。
マリアという1頭のハチを擬人化し、物語にのめり込んでいくうちに自然界の食物連鎖や、今まで知りもしなかった自然や昆虫、生き物の謎を分かり易く解説してくれる生物の教科書のような書です。
以下、裏表紙の内容紹介
命はわずか三十日。ここはオオスズメバチの帝国だ。晩夏、隆盛を極めた帝国に生まれた戦士、マリア。幼い妹たちと「偉大なる母」のため、恋もせず、子も産まず、命を燃やして戦い続ける。
ある日出逢ったオスバチから告げられた自らの宿命。永遠に続くと思われた帝国に影が射し始める。
蜂を擬人化といっても、「みつばちハッチ」や「みつばちマーヤ」のような人間のような暮らしを描いている訳ではないので、恋をしたり友達同士のケンカなどはありません。
「風の中のマリア」は決して可愛らしいものでは無く生物学に忠実で(巻末の補足資料を見れば、筆者の研究の度合いがわかります。)且つ、大人でものめり込める楽しさは、ひとえに登場人物(蜂ですが)の魅力なのでしょうか^^
現実にスズメバチを見たら怖くて固まるけれど(ワタクシこの夏スズメバチに刺されたので余計に)
スズメバチ襲来!見知らぬ土地で病院を探すのは非常に難しいって事を思い知らされた話
読後はすっかりマリアのファンになってしまいましたよ。
そうそう、マリアの仲間、登場人物(蜂ですがね‥)全てに名前があります。
「疾風のマリア」「雷のキルステン」こんな風に二つ名で登場されると、もう正義のヒーロー的な格好良さというか、とにかく「あぁ、やられた」ってなりました。
とにかく主人公のマリアを中心としたオオスズメバチのメスのワーカーたちがかっこ良い。イメージは峰不二子やボンドガールとか?
カッコよくて美しい。
コガネムシ「私を狩る気か」
マリア 「そのつもりよ」
コガネムシ「見逃してくれないだろうか」
マリア 「その気はないわ」
この後、もちろん残虐、殺戮シーン。
物語は、こんな感じで自分の帝国の為に戦い続ける(餌を持って帰る)ただただ戦い続ける。僅か30日ほどの命を帝国に捧げる。
オオスズメバチのワーカーは、原則的に子供を産まない。このことについて、彼女らはほとんど何の逡巡もない。
他の昆虫なんかもそうなのだろうけど、思考なんてないですよね。
しいていえばコンピューターに入れられた、そのプログラム通りに動くロボットみたいなものですか?
私たち、人間は思考する脳があるのだから、「もっともっと今出来る事を考えるべきだなぁ〜」と考えざるを得なくなります。
だって、プログラムで動くロボットやAIの方が有能って世の中になってしまったら怖いじゃないですか((((;゚Д゚)))))))
普通、小説や映画に見られるどんでん返しが、この話にもあります。
ですが、それもまた自然社会における種の存続の為の予め入れられているプログラムなのでしょうか。
では・・冒頭の蜂球についての記述です。
単体ではオオスズメバチに歯が立たない(体のサイズでいうと3〜5倍)ニホンミツバチが、大群でオオスズメバチを囲み翅を震わせて体温を上げ、上昇した体温でもって熱死させる。
その囲み込んだ形が球のようなので蜂球というのだそう。
ミツバチが耐えれる温度が48度なのに対し、オオスズメバチは46度で死んでしまうそう。
私が見てたTV番組ではこの技が西洋ミツバチにも見られたという様な事を言ってました。
ミツバチは蜂蜜つくってくれるので大好きです(^∇^)v
コメント
コガネムシを狩るシーン、私も興奮しました。あとマリアの「私に狩られる時はみんな恨めしい顔で私を睨むが、そんなことは気にしない。世の中は弱肉強食、私に狩られる方が悪いのだ」というセリフ、私も狩ってくださいと思いました。